スキー

【山スキー】槍ヶ岳 穂先はデンジャラス

スキーで槍ヶ岳に行ってきました。
先週の四ツ岳もすごく楽しかったのですが、なんかもっと歩きないなぁとは思っていたんです。
山岳会の例会で会長も日曜日時間が空いているの事
今年の会長は立山も行っているから体力もあるので焼山までも行きませんか?という話をしていた。
「色々調べて連絡する」と会長
次の日会長からのメールがきておったまげた。「案1飛騨沢案2弓折岳」
槍ですか・・・00時スタートですか・・・と
気合いが入ってる会長とK村さんのパーティで槍を目指すことに

前日は予定がありその後少し仮眠しようとしたがほとんど眠れなかった。
立山の時も同様だがロング山行の時は全然眠れない。
異様な緊張感がある。

2200
若松P集合
当たり前だがすでに眠い。これからロング山行に行こうとしている中
筆者はいかに運転手にバレずに寝ようか考えていた。全く自分でもなんてひどい人間だと思う。
しかしながら後部座席に座ろうとするがすでにK村さんが座っている。
こうなったら助手席でひたすら喋りたおすしかない。
集合前にあえてコーヒーではなく寝やすい為にココアを買っていたなんて誰にも言えないだろう。
結果最後の10分以外寝ずに過ごす事が出来た。

0010 新穂高温泉
すでに沢山の車が駐車していた。
準備している方もちらほら。
ちゃっちゃと準備する。無駄な時間などない。
コンディションがよければ穂先を目指そうという事でバイルを装備。
新調したペツルのガリー 290 gの超軽量

0030 新穂高温泉出発
登山届を提出

ここら辺は全く雪がない。
温泉を過ぎたあたりから雪が出てくるがシール歩行出来るのはそこから少し進んでから
真っ暗な中ひたすらシールで登っていく、トレースがあるので非常に気楽。
会長が軽快に進んでいく。「え?なんかトレーニングしてますか?」と思わず筆者が質問するが
回答は「別に・・・こんなもんやぁ」と
途中で先行者を追いつく 挨拶を交わす。 短い板を履いていたこの先行者とはこの先会わなかった
どこへ行ったんだろうか

0240 白出沢出合
ここで少し考える。 沢にここから降りて沢沿いを登る選択肢
ただそれでは標高差がありすぎるので、先に進み斜めに降りながら沢へ降りる。
1511mで降りようとしたが少し難しくトラバースしながら降りる。
沢へ降りた方が早かったのかわからないが、トレース通りに進まない事も面白い。
雪が少ないためか沢は雪が繋がってない部分も多く非常に難儀した。
時には藪漕ぎもありながら登っていく。

0420 滝谷
とにかく眠い
槍平まであと少し!と思い足を進める。
ここから夏道に戻る選択肢もあったがどちらが早いかはわからない。
スノーブリッジは板のまま渡渉。 周りが暗いので恐怖感もなく渡れた。
空を見ると星がすごく綺麗。
ルート工作しながら進むとようやくトレースに合流。
さっきの先行者のライトが見えた気がしたが・・・


ここからはまっすぐな道を歩くだけである。 まずは槍平小屋を目指して歩く。
「うー眠い」と会長 眠気が限界の筆者の心情としてはガチで帰りたいと思っていたので
まじで引き返してくれと少しおもっていた。
ここまできて引き返す事はありえないので会長も気合いで槍平までトレースを伸ばす。

0535 槍平小屋
どうもーと小屋へ入る。
テントが2張あるのでそろそろと入る。
すでに山頂へアタッタしていたようで誰もいない。
会長も眠気が限界だったようで仮眠を取ることに


筆者は山行中仮眠をとった事がなかったので「寝たら死ぬって誰かが・・・」という
くだらない事を思いながらダウンを着て横になり休む。
ダウンはユニクロだがアウターの下に使えば抜群に暖かい。
室外ならアウターが作った暖かい空気が無駄になるが室内ならそうもならないのでインナーとして活用しよう。
風が強いところであるならアウターを脱ぐのは危険なので上に着るのが望ましい。
K村さんはアウターの上からダウンを着ていた。
0610起床
筆者は爆睡していた。以前明星のフリースピリッツというルートの途中ロープがスタックした際に
岩場でセルフを取りながら一夜を明かした。
その時も筆者はスヤスヤ寝ていた。 パートナーは唖然としていたらしいが。
ちなみに今回はK村さんもしっかり寝て休む事が出来たが
眠いと言っていた会長が寒くて眠れなかった。
面倒でダウンを着用しなかったらしい。休むときはダウンは必須である。
そもそも会長が眠い!と言わなかったら仮眠時間を取る事はなかったので
道中「本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを思いながら歩いたのはいうまでもない。

槍平を出てからはひたすら飛騨沢をまっすぐ登っていく

筆者はさっきの仮眠のお陰で頭がかなりスッキリしていた。
長い山行の場合仮眠は必要なのかと思うぐらいである。
その仮眠が出来なかった会長がここでもしっかり先頭でトレースを伸ばす
途中で筆者が交代。 その時にエスタロンモカを会長に渡す。
効果は舐めている時は眠気がなくなるらしいのでそこそこ効果はあると判断しても問題ないだろう。
沢をガンガン登っていき飛騨乗越が見えてくる


周りも明るくなってくる、遠くに見える笠が岳が美しい。
モチベーションが上がりギアをあげて登っていくが乗越は全く近くならない
「見えてからが遠いんやって」と・・・ まさにその通り
それでも気合いを入れて高度をあげる。

会長とK村さんが登る後ろには壮大な景色が広がっている。

乗越手前でカリカリになっていた。
会長とK村さんは早々にアイゼンに切り替えて登る。
筆者はギリギリまでクトーで登る。 ディナフィットのクトーは時々曲がるんじゃないかと思う事があるが
本当に大丈夫なのだろうか。
クトーでも厳しくなってきて筆者もアイゼンに切り替える。

1000 飛騨乗越
ついに登りきった。 近くて遠かったこの場所にくる事ができた。
天気は本当に素晴らしほど晴天だった。
暑いぐらいで登る道中はアウターを脱いでいたし半袖でも可能なぐらいな気温であった。
さずがに稜線に出ると寒いが、景色は壮大である。
空を突き抜く槍ヶ岳もしっかり見える。 本当にとんがっているなぁ
筆者だけが初の槍ヶ岳との対面であった。

1030 槍ヶ岳山荘
山荘の前で5人ほどが休憩していた。
手前にいた女性のソロ登山者に話を聞くと、穂先まではかなり凍っているらしい。
「降る時にはそこそこ雪が柔らかくなっていた」ともう1人のクライマーに聞いた。
彼の装備は完全にアイス用の装備だった。
筆者はハーネス・スリングを持ってきていないのでセルフ(自己確保)が出来ないので不安もあったが
穂先へ向かう事を決めた。
改めて穂先までのルートは遠くから見るとアルパインのルートの様である。

いざ登っていく! 片手にバイル もう片方はウィペット


下の方は快適に登る事が出来たが途中から「これ嫌なやつ」と思い始める。
アイゼンもバイルもしっかり刺さるので心配ないと分かっているが、なにせセルフが取れないので
落ちたら下まで一気に落ちていく。 スリングでもあればなと何回も思う。
いつもはスリングとカラビナをセットでザックに入れているのに、何故今日に限って置いてきたのだろう。
チェーンはしっかりしているのでセルフは簡単に取れる。

そんな事を言っても仕方ないので、氷に足を蹴り込みながらピークを目指していく。
途中短い階段がある。 これが厄介である。
まずアイゼンのままだと登りにくいし、登りきった瞬間にしっかり手が抜けてしまうと背中から落ちてしまうので
非常に危険。 両手を信じて登る。

K村さんが先頭で登っていく K村さんはアイスクライミングをするので
慣れているのかテンポよく登っていく、しかしながら下の方で会長がハマってしまったようである。
無論無理する必要もない。

画像を見ても分かるように壁が結構立っているので意外に怖い。
雪が柔らかければいいのであるが、一部はかなり固いアイスだったので緊張を強いられる。

梯子登りが終わるとルンゼ状の所に入ってピークに繋がる最後の梯子まで詰める。
チェーンが雪の下に埋まっている、下の方はチェーンがあるので掴んだりすることも出来たが
ここでは全くチェーンが見えない。
少しでもミス出来ない許されないし、休憩も出来ない状況で非常に疲れてくる。
途中氷が少なく、岩しかない部分もあるので、いつアイゼンが外れるか分からない。

最後の梯子が見えてきた。
二つ梯子を登りきれば槍のピークが待っている。

この梯子が非常に厄介で、部分的に凍っているので梯子をしっかり掴むことが出来ない。
指の第二関節までしか掛らないし、梯子も直角であるので恐怖であった。直角なので足元がしっかり確認する余裕がない。
久しぶりに「これやばい」と感じた。 手に持っているバイルが梯子の中に入って引っ掛からないように注意する。
案外ウィペットの手の方が手を簡単に離す事が出来て楽だった。 バイルは長いコードをつけていなかったので
途中刺しながら登っていった。
アイゼンで梯子を登るのは大変な事に加えて、梯子の足を置くスペースが小さい。筆者のシェルパンツはダボダボなので
アイゼンの刃が引っかかりすごい神経をすり減らしてしまった。 シェルパンツも少し破れてしまった。
筆者が登っている時はかなり気温が高かったのでまだ安心出来たのであるが、先行者のスキーヤー達は
本当に怖かったと思う。

1120
なんとか梯子を登りきり槍のピークへ到達。
この時点で疲労困憊で腕はパンパンになっていた。
緊張すると無駄に力が入ってしまう。

すぐに倒れこむ筆者
疲れすぎてあまり達成感はなかった。

とりあえず記念撮影 無事槍ヶ岳登頂!
ピークで長居は無用 早く降りないと帰りが暗くなってしまう。
梯子を見るとさっきより気持ち氷が柔らかくなっている気がする。
正直降りる方が怖い。

K村さんが先頭で降りていく。 ピークから会長が見えた
どうやら下山を選択したらしい。それが正解です。
慎重にステップをアイゼンで踏みながら降りていく。 K村さんが少し氷を落としてくれたのでありがたい。
ここからが大変 両足を踏み込みながら少しづつ降りていく。
途中岩場が出てくると緊張する。 なんとか刃が刺さる所を見つけてゆっくりと。
梯子部分で会長と遭遇 なにやらアイゼンの調子が悪いそうだった。
それはそれは危ない。 ゆっくり降りてきてくださいね。

下の方の梯子以下はそこまで怖くはない。
慎重に降りるだけ。

1300 飛騨乗越へ無事に戻る
筆者とK村さんは疲れ果てて 「滑りとかどうでもいいし早く帰りたい」と穂先からの降りで話していた
正直かなり暑くなってきたし、滑りは期待出来なさそうだとは感じていた。
とは言いつつも飛騨沢を見ると それはそれは壮大な斜面が目の前に広がっている。
まだシュプールも全然付いていない。
これだけ広い沢を前にしたらやる気がみなぎってくる。

少しガスってきたがそれほど濃くはならない。
早めにさっさと降りちゃいましょう!


流石にK村さんは滑るのが上手い 羨ましい限りである。
パウダーの滑り方って物をもっと研究しなければならない。

会長のターン ただいまスキーの練習中らしい。
今でも充分上手いです!

ガンガン滑って標高を下げていく。
11時間かけて登ったが、滑ると一瞬である。
だから山スキーはやめられない。

途中から雪がグサグサになってきた。 全く板が走らない
所謂ストップスノーという奴だ。こうなってはどうにもならない。
なんとかごまかしながら降りるしかない。
幸い3人ともポンツーンを履いていたので細板よりもマシだったのかもしれない。

1410 途中槍平小屋に寄る。
こんだけの雪が積もって躯体が壊れないのだろうか?と思った。

帰りは沢は使わずに夏道で帰る。
シールオンで滑走モードで登り降りに対応した。

突然’ゴゴゴゴと音がすると思ったら穂高側の斜面が雪崩れた。
一瞬でデブリが出来上がる。 もう10分早く進んでいたら直撃していただろう。
雪崩は本当に怖い。 ただ止まっていてもどうしようもないので帰りを急ぐ。

一瞬で景色が変わる。 巻き込まれたら命がなかったかもしれない。
やはり昼を超えて気温が上がり雪崩が起きたのだろう。
結果論ではあるが槍には登らずにすぐ滑走した方が、滑りも楽しいし何より安全であるだろう。

途中K村さんがスノーブリッジから転落・・・と思ったら無事に回避していた。

夏道をソロリソロリと戻るが至る所で雪崩が発生している。
本当に行きた心地がしない。 頼む!!歩いている上で起こるなよ!!と願う。

登り返しを本当に何回も繰り返しながら出合を目指す。
本当にこの登り返しの連続はきつい 精神的に疲れてくる。
1550
白出沢出合
ようやくここまで来た。 あとはトレース沿いに滑って降りるだけだ。
雪がベタベタだが滑るだろうか? まぁシールで歩くよりは楽だろうとシールを剥がす。
トレースに板を乗せてレッツゴー♫
意外と滑る そんなに速いわけではないが歩くよりはマシである。
途中ソロ女性登山者を追い抜く。あと少しで帰れますよー

雪が切れている箇所も複数見られたので板を外して歩いてまた板を履く。
この繰り返しがまた辛い。
時間も時間だし早く帰りたいと思うばかりである。

1640 新穂高温泉到着
ようやくロング山行が終わった。
最後に歩いてきた会長はかなり疲れていた。
お疲れ様です!!

GPSを停止すると山行時間が16時間3分となっていた。
筆者の過去最長記録だと思う。いやー疲れた疲れた。
さっさと着替え帰路につく。
帰りの車内ではスキーギアの事で熱中してしまい、不思議と眠気は襲ってこなかった。
会長 K村さん本当にありがとうございました。


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