手取川系 めっこ谷 コエ谷 敗退
本来の予定ならば17日までの二泊三日の予定であったが筆者の所属する山岳会の会長が直前になって休みが取れなくなり
一泊二日の予定になってしまった。 正直この時点で敗退のにおいはプンプンしていたのだ。
14日の海ノ溝谷で満足して、頬の緩みきっていた筆者であるが、所属する名前でもあるめっこ谷を遡行するのではあるからしっかり気合いを入れて行かなければならない。しかしながら仕事上日帰り登山が多い筆者にとって泊りのある山行は非常に苦手である。
15日一里野スキー場に集合 車を止めると待ってましたとオロロの集団に襲われる。 予想していた事であるので仕方ない。
一台を檜倉にデポして、それから林道ゲート近くに車を止めていよいよ行動開始。
筆者は黄色いカッパを着用していたので会長よりもオロロの数が少なかったように感じた。行動開始時会長の周りには気の毒なほどオロロが舞っていた。
オロロなしでは白山の沢は語れないが、オロロがいなくても白山の沢を語りたいと思った。
しばらく林道を歩くて橋が見えてきた、本来はここから巡視路を進む筈だが、一つ道のようなものを見つけたが’生物観察’という箱が置かれていただけだった。
そして途中で道はなくなっていた。 巡視路はどこなんだ?と色々探すも見つからない・・・ もう入渓するしかない。
入渓して感じるスケールの大きさ やはり白山の沢は素晴らしい。
ひたすらゴーロを進んで行くがどうもペースが上がらない・・・ どうやら水量が多く、何回も渡渉が必要となる。前に進むのではなく横に進んでいる。
何回も渡渉も繰り返すも全く前に進まない。 これはやばい・・・
その後いやらしい滝でロープをだす、ハーケンを二本決めて登る。フォローの会長が少し手こずるがしっかり登る。
しかしここで時間を費やしてしまう。 ここでめっこ谷遡行を断念、コエ谷から加賀禅へ詰めあげるルートへ変更。
計画変更を決めてしばらく歩くと取水堰堤へ到着。
’なぜこんな物をこんな所に?’という疑問が自然と口から漏れた。 もちろん行政の事は全く分からないし、エネルギーの事についても素人だけれでもこんな山奥に
堰堤を作る必要はあったのだろうか? ましてや現在では巡視路が薮で覆われているので、誰も検査もしていないのだろう。
と筆者が勝手に思っただけであり、本当は色々理由はあるのだろう。
コエ谷手前で野営を決める。
オロロはまだ寄ってくる。 蚊も沢山発生していて、本当にいやになる。
16日は野営地から20分ほどでコエ谷出合に到着
コエ谷の印象としては荒く面白くない、ひたすらゴーロを遡行する。
20m滝 下部がハングしており直登は無理。左岸から巻きを選択するが今にも崩れそうな泥壁はとてつもなく怖い。
仕方なくロープを出して筆者が空荷で登る。 意外と簡単に登れた。
会長を引き上げる、ザックも一緒に上がってきた。
地形図の水線上通りの詰める予定だったが、標高1776地点から枝沢に入れば美女坂の頭に入れそうだ。
枝沢に入ると最初の方は水がありサクサク進んで行くが、徐々に薮っぽい空気になってきた。
最後には濃い藪漕ぎに 1時間ほど薮を漕いで登山道に合流。
コエ谷を遡行しての感想であるが、前半部分は残念ながらあまり面白くない沢登言える、ただ後半になって登っていて楽しい滝が豊富にある
そして白山ならではの素晴らしくスケールの大きな景色を見せてくれるのである。
こればかりは言葉では説明しようがなく、コエ谷を遡行しなければ分からない。 とはいえコエ谷を強くおすすめできるものではなくなかなか難しい心情であることはお許し頂きたい。
久しぶりの加賀禅定道 昔はトレランスタイルで白山を駆け回っていたがそれは昔の話・・・
全く足がついてこない、そして会長は後ろで死んでいる汗 もっと我々は体力をつけなければならない!
しかし歩いていると不思議な事に体力が回復して、足取りも軽くなってきた、身体が昔を思い出したのだろう。
くだり坂を駆け抜ける、その代わり会長を長い間待つ事になる笑
いよいよデポ地に到着、その後もトラブルはありながらもなんとか一里野駐車場へ戻る。
会長本当にお疲れ様でした。
日程:2020年8月15-16日
場所:石川県白山市
ルート図:
人数:2人
推奨装備:カム・ハーケン・フェルトソール
難易度:初級
駐車場
タイム
8月15日
一里野スキー場0530-林道ゲート6300-取水堰堤1410-野営地点151
8月16日
コエ谷出合0700-登山道-1200-檜倉駐車場


















筆者のおすすめ装備
ウエア類
沢登りでは水中の中に入る事も多く体温が低くなりがちです。
筆者が使用しているのはフェルトソールです。
とりあえずこれから沢を始める方はフェルトをオススメします。
ソックスはネオプレン製がオススメです。
沢は常に濡れるので普通のソックスではNG 保湿力があるネオプレンソックスがオススメです。
沢には砂利が沢山あるので靴の中に入ってきますのでスパッツで入るのを防ぎます。
脛をぶつける事もお多いのでサポーターとしても非常に頼りになります。
沢ではいくら防水ザックを使っても中に水が入る事を想定しなければなりません。
ザックの中にインナーとして防水スタッフバッグは必携です。
ギア類
懸垂下降が必要な箇所が出てくるのが沢登りです。
ビレイでも使える物を持っていきましょう。
ぺツル・BDを買っておけば安心です。
筆者はBDのATCガイドを使用しています。
セルフを取るのに必要なPASは絶対に忘れては行けません。
登攀だけだはなく、高巻きの際にも有効です。
安全を確保する為にPASは大きな力になってくれます。
ハーネスは軽くて立ったままでも着用できるタイプがオススメです。