【読書】だからこそ、自分にフェアでなければならない。 プロ登山家・竹内洋岳のルール 小林 紀晴 (著)
本から得られた気付き
- 運のせいにすると思考が止まる
- 年数よりもこなした数が大事
- 嫌な事は辞めればいい、無理しいしても意味がない。
- 山にゴミを捨てる人は登山者ではなく観光人
- 山には想像力が必要
- 登山歴は関係なく質が重要
- 嫌いな登山はする必要がない
- 何事にも強制してもいい事はない
- 同じ山に登ろうとする人はゴミを捨てない、景色を守ろうとする。
- 山ではなるべく止まらないほうが疲れない
- 経験すると想像しなくなる、リアリティのある想像は経験からしか生まれない
- リーダーはなるべく人がなる
- リーダーになる人は生まれながらに決まっているのでセミナーは無用?
- 感情的な人は山にははまらない
- いじめからは逃げろ!
- 逃げる事がダメという文化は変えよう
- 昔の方が大変だったというが、その昔は当時の最先端。
- 登山はフェアなスポーツ、ルールは自分で決める
本から得た自分にとっての考え
- 登山も仕事も同じ、ただ年数を重ねても意味がない
- 嫌な仕事をしても、結果は出しにくい
- 続けたいと思う事であれば、掃除・メンテナンスは自然とする
- 他人に強要しても意味がない
- 続ける事を辞めてしまうと、なかなか戻る事が難しい
- 生まれ持った役割が仕事にもある
- 嫌なら辞めればいい、世界は広い
- 過去に囚われても意味がない、現代は未来にとっては遠い過去
- 自分でルールを決める、他人に惑わされない事が大切
感想
竹内氏は日本人唯一の8000メートル峰全14座の登頂者。
日本登山界においてトップとも言える登山家、そんな彼と八ヶ岳天狗岳を共にした小林氏(著者)の本である。
読み始めて小林氏と竹内氏の装備から全然違うので、笑えてくる決して小林氏も初心者ではないが、8000m級を何度も経験してる猛者との感覚が違うのだろう。
水筒よりペットボトルが潰せる・あんぱんは潰せば小さくなる・カッパを着るより傘をさした方が良いなどという
実用的な知識を伺う事ができる。
そんな話から小林氏がうまいこと竹内氏にいろんな話をしながら進んでいく。
実績十分の竹内氏の面白い話が散らばっているので非常に面白い。
一つ重要に思った点がある。
それは経験するという事は良い意味であるが、それ故想像しなくなるという事だ。
経験はすべての将来に対して有効ではなく、マッチしたことに対して有効になる、つまりマッチしていない出来事に対しても
経験があるから大丈夫だと思っていたら成功はできない。
多くの経験して、それはホールドして、必要な時にその経験を利用する事が大切になっていく。
何事も人間は経験していくうちに想像せずに楽観的になってしまう、ただし同じ仕事というのはゼロなので常に
リスク等を想像しなければ成功しない。
例えば以前も似たような問題を解決したから、今回も大丈夫と思う思考等。
経験を積む事は良い事である事は間違いはないが、何かを成し遂げる為には経験をリセットすることも大切かもしれない。
確かに登山と仕事は違うので、仕事では過去の経験がいろんな部分で役にたってくるという意見も理解できるが、言葉を変えると先入観に囚われているとも言えるのではないか。
本書において竹内氏は
「手をナイフで切って血が流れたら、痛いという事を知ります。だから次に切るときは躊躇します。だけどもし痛みを知らなければリアリティのある想像は生まれません。ですから経験は絶対した方がいいです」
なるほどと思った
仕事を増やしていくにつれて危険な部分は増えていくので、いろんな経験をしてリアリティのある想像がいつでもできるようになりたいと感じた。
あとプロ登山家だなと思った事が以下
竹内氏は山行中に脳血栓で倒れた際に、仲間に自分の様子を記録するように頼んだ。
それは自分の為ではなく、仲間が見殺しにしたのではないかという?変な憶測が立たない為である。
隔絶されたエリアだからこその考え。
今まで偉大な人であると分かっていたが、なかなか本等で見る事がなかった竹内氏であるが、今回本書を通じて
彼が’客観的に山・自分を見る事ができる人物’なのだなと感じた。
だからこそいろんな山を登る事が出来、雪崩等の事故からも生き延びれたのだと思う。
自我が強い登山者は多いと思うが、それだけでは長く続かないし命が持たないのだろう。